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ドラマニア

ドラマが好き。
結婚してからは、ドラマ嫌いの夫に遠慮して、か、自分の生活とかけ離れたその世界観が白々しく思えて、か、あまり見なくなっている。
それでも、周りで
「あのドラマ、すっごく面白いよね。」
という評判を聞くと、やはり見てしまいはまってしまう。

今まで見たドラマの中で、一番好きなのはTBS「金曜日の妻たちへⅢ」。
先日、録りためた録画を久しぶりに見た。
主演のいしだあゆみさん、篠ひろ子さんの髪の毛や、肌がとっても綺麗で同性ながらうっとりするほどだった。
共演の小川知子さん、森山良子さんのお芝居もとっても自然で上手くて、ドラマでありながらドラマであることを忘れてしまうほど。
このドラマのどこが好きなのか、といえば、小林明子さんの主題歌もそうだし、ドラマの中に何度も登場する小川知子さん演ずるおこま一家の庭が好きだし、何よりいしだあゆみさんが着ているファッションが大好きなのだ、ということにあらためて気づいた。
時代としては、ちょうど日本がバブル期に移行し始めた80年代初頭。
その時代に流行ったファッションではあるけれど、どこか往年のフランス女優が着ていたようなライン、素材、デザインのその洋服はどれもこれもとても好み。
いしだあゆみさんの、さりげないのに手入れがゆきとどいたワンレングスの髪型もとても素敵で、
当時22,3だった私は、30代半ばになればこんな素敵な女性になれるんだろうか・・と夢見たものだった。
彼女のお芝居は、そんなに上手いとも思えないし、顔のタイプも好みじゃないけど、あのとき彼女が着ていたファッションは本当に素敵だった。
中でも、料亭でデートしたときの、ロールカラーのツイードのワンピースはとっても好み。
今、私が30代ならきっと迷わず縫っていたことだろう。
ドラマを観る楽しみは、こんなところにもあるんだなぁ、と新たな発見。

最近のお気に入りは、福山龍馬と、「てっぱん」。
ゴリさんと、緋牡丹お龍さんの円熟した演技はさすが!
ハートウォーミングなドラマで、毎朝涙腺がゆるみっぱなし。
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by citroentz | 2010-10-30 19:34 | つらつら | Comments(0)

アートは爆発だ

秋を通り越して、一気に冬がやってきた。
芸術の秋を堪能する間もなく・・

もうすぐ会期が終わる、ということで節子さんが友人に誘われ瀬戸内国際芸術祭に行ってきた。
節子さんの人生で経験する初の美術体験、といっても過言ではない。
初めてで、いきなり現代アート。。。
それって、チャレンジャーだなぁ・・と思わなくもないが、「NO」といえない節子さん
今回も、going my wayの友人に押し切られてしまった。
数多くの仕事を抱える節子さんにとって、週半ばのお休みは貴重な一日である。
だが、日数が残り少ないのと、週末はとんでもなく混み合う、という情報をその友人が入手して大慌てで行くことに決まったらしい。
時間を読み詰めて行動する節子さんに対し、すべてにルーズな友人。
朝の出発から躓く。
申し合わせた時間にやってこない友人にイライラする節子さん。
自分がその日に仕上げなければいけない仕事を横目に、外出の支度を済ませひたすら待つ。
時間ギリギリになってゆったり訪れる友人。
そんな友だちをせき立ててどうにかこうにか船着き場に到着。
そこには長蛇の列
列を離れたら最後、再び最後尾につかねばならず、棒立ちでフェリーを待つこと1時間。
乗ったら乗ったで、席は空いておらず、甲板にベタ座り。
油くさい板の上に腰を下ろし、寒いくらいの風に吹かれること1時間。
目指す直島に渡ったら渡ったで、これまたすごい人の波。
地中美術館の整理券を手に入れておかねばならぬ、とこれまた必死。
順番が回ってくるまで、ぶらぶらとそのあたりの作品を見学する。
一作品千円という入場料も、節子さんにとっては驚愕の価格。
見る物、見る物、これが何?
という思いしか浮かばなかったという。
こんな訳のわからないものに千円・・・
じくじたる思いを抱えつつ、ようやく友人おすすめの地中美術館に。
ここでも、また理解に苦しむ作品と対面することになる。
「お腹空いたし、お昼でも食べようか」
の友人のひとことで館内のカフェでお昼をとることに。
簡素なランチメニューと、そこについた値段にびっくりして思わず
「他に行こう」という一言が出そうになるが
「ああ、よかった!空いてるわ。よかった、よかった」
と、ずんずんお店に入っていく友人に逆らえず入店。
簡単に作られた小さなツナサンドが二切れ、ざざっと切った野菜サラダと、小さなカップに入ったオニオンスープで1100円。
お飲み物は別、と言われ一杯500円の珈琲なんてとんでもないわ、と思い
「結構です」と言おうとしたら友人から
「あなた、珈琲でいいよね?珈琲二つ」と有無を言わさずオーダーをされてしまった。
むむむーーーー・・・
おもむろに
「あなた、ここの美術館の美術とかわかるの?」と友人に尋ねた。
びっくりしたように
「別にわかるわからないじゃないの。好きか嫌いか、そういう目線で見て楽しめばいいのよ。美術なんてものは・・」
としたり顔で言われたのだそう。
紙コップに入れられた薄くてまずい珈琲を前にして
「ぼったくりだ・・・」と心の中でつぶやいた節子さん。

友人は、日頃たまる鬱憤の数々を節子さんに披露し、それが目的で誘い出したともいえるこの小旅行。
帰るフェリーの時間が迫っていても、友人は自分の話をとどまるところなく話し続ける。
「そろそろフェリー乗り場に行かないと乗り遅れるよ・・」
と、友人に注意を促すと
「あら!乗り遅れたら、高速艇かなにかで帰ればいいじゃない。
今日中にたどり着けばいいでしょ?」
と、こともなく呑気にいうものだから、さすがの節子さんもイラッとなって
「あなたは、明日も一日お休みだからいいけど、私は帰ってからも明日の仕事に備えないといけないの!そんな悠長なこと、言ってられない!!」と怒ったらしい。
すると、反対に
「そんな仕事、仕事、って言ってて、今日ここで死んだら、あなたは仕事だけして死んだことになるのよ。それでもいいの?」と意見されてしまったのだそうだ。
根本的に、この人と私がここに来たことが間違いだった・・・
そう思った節子さんは、それ以上何も言わず疲れ果てて帰ってきたのだそうだ。

「芸術は爆発だ」とは岡本太郎氏の有名な言葉であるが
行きたくもない場所に誘われ、食べたくもないものを食べさせられ、言いたい放題言われ、普段大切にためているお金を散財した、とだけしか思えなかった節子さんは、きっと
「アートは爆発だ!」と言いたい現代アートの体験だったんじゃないだろうか。
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by citroentz | 2010-10-28 19:11 | つらつら | Comments(0)

究極の金平糖

今年の早春、息子が受験に行った際に
予約してきた「究極の金平糖」なるものが届いた。
なんでも、日本酒の香りを飛ばすことなく、丁寧に丁寧に細心の注意を払いながら手作りした金平糖なのだそうだ。
ご丁寧に、エアパッキンに厳重にくるまれ、さらには桐の箱にうやうやしく収められて送られてきた。
値段を見て、びっくり!
なーんと、金平糖ごときお菓子でありながら3500円もするのである。
左党の夫に言わせれば、これだけの金額を出せばどれほど高級な日本酒が買えることか!と。
確かに普段、我が家が飲んでいる日本酒なら1,8Lの一升瓶で2本買えてしまうお値段。
よくまぁ、、とあきれる親二人。
まだ、行き先が決まっていない時だったので、実家を送り先に指定していたのだが、さあ、どうしたもんやら。。
「先に開けて食べてみるで。」とメールしたら、大急ぎで「こっちに送ってよ!!」
と、返してくるかと思いきや、意外にも
「ええで。俺の分だけ残しといてや」
と、あっさり。
へぇ・・
さすがに20㎏も痩せただけのことはある。
食べることへの情熱が失せている。

まぁ、ええわ。
別に私たちも食べたいわけじゃないから。
帰ってくるまで、神棚にでも飾っておくことにでもいたしましょう。
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by citroentz | 2010-10-21 19:30 | もぐもぐ | Comments(2)

音楽選択能力

先日テレビを見ていて。
五箇山のこきりこ節が流れた。
♪こきりこの竹は七寸五分じゃ 長は袖のかなかいじゃ・・
ああ、懐かしい歌やわ・・
と私が思うと同時に、夫がぼそりとつぶやく。
「こんな唄、知らんわ。おれ。」
うっそー!
習ったで。学校で。小学校だったか中学だったか忘れたけど・・
と、私が訴えると
「アンタは、教育学部やったから大学の講義で習ったんや。
こんな唄、小学校でも中学校でも習ってない。生まれて初めて聞いた唄や。」
とにべもない。
いつ習ったのか?
と問われれば、はっきりとは覚えていないが
♪まどのさんさもででれこでん♪
まで歌えたりなんかする私。
習って無くてここまで覚えているワケがない。

夫は、勝手つんぼというのか、自分が興味のないことや都合の悪いことは右から左に抜いてしまい記憶にとどめることがない。
街で流れる流行歌も、自分が好きではないので全く記憶に残らない、という。
なのに。

昨日の夜、ホットフラッシュで寝苦しくて寝付けない私が、ヒマをもてあまして遊び始めた。
「トルコ行進曲」のフレーズをピアノの鍵盤をたたくように、夫の頭頂部の薄くなった部分で弾き始めた。
♪タラリララン、タラリララン、タラリラタラリラタラリララーン♪
わっかるかな~?と思いながら一曲弾きあげた。
夫「マッサージしてくれるのはええけど、人の頭でトルコ行進曲弾かんといて!」
ええーーーーっつ!
こきりこ節がわからなくて、トルコ行進曲が音無でリズムでわかるってどんなんや?
不思議なひと。
ちなみに夫の耳に残るのはハードロックのみ。
民謡も、クラシックも、彼の音楽ノートには記録されてはいない、はず。
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by citroentz | 2010-10-20 22:14 | つらつら | Comments(12)

遅れてきた秋

友だちに彼岸花をもらった。
あふれんばかりの赤い細い花びらは圧巻。
和の花でありながら、どこかモダンな香りも感じる彼岸花。
いつもならお彼岸の頃に満開なのに、こちらもちょっと遅れ気味なんだろうか・・

おかげで、秋物にぴったりなちょっと薄手のパンツ生地でも今の季節に間に合った。
これで5本目となるシガレットパンツ。
丈を変えたり、素材、色を変えたり・・と本当にお役立ちパターンである。
ただ・・・
哀しいのは、原型の寸法だとちょっとぱっつんぱっつんになってしまったので、脇でそれぞれ5ミリ出してみた。
したらば!ピッタリじゃないの・・・
9号と11号の間、10号くらいのパターンが欲しいな。
ちょいぷよ体型の私としては・・・
布 クルール アンティークツイルSTオリーブ
パターン クルール シガレットパンツ
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by citroentz | 2010-10-18 21:22 | ちまちま | Comments(2)

旅の恥はかきすてられない

いつも遊びに行くネッ友さんのところで読んだ記事。
「ジーンズを育てる」
ジーンズにこだわりのあるひとは、USED感を出すために、がしがし洗濯などしなかったりするという。ずーーっと洗濯せず、くったくたになるのを待つらしい。
へぇ~・・ジーンズって奥が深いものなんだなぁ・・
と、感心つつ思い出したことがある。

大学一年の夏休み。
所属していたサークルの合宿で、屋久島へ行くことになった。
その頃の私は、自分の体型がパンツの似合う体型だと思えなくて、Gパンを履かない人間だった。
しかし、屋久島でのスケジュールを見れば、到底Gパンなしでは過ごすことができそうにない。
そこで、仕方なくGパンの購入を決意した(大げさ・・)
自分のお尻は大きくて、垂れ下がったお尻だ、とばかり思いこんでいた私は、ピッタリした形を避け
ゆったりしたカーペンタータイプのGパンを買った。
イメージでは、もうちょっとブリーチアウトした感じが欲しいのにな、と思いつつもあの当時Gパンはどれもとっても高くて、自分の被服費をバイト代だけで捻出していた私には欲しいものには手が出せなかった。
そこで思いついたのが、「洗濯すればええやん!」
ということで、7月の終わりにある合宿を目指して洗濯機でがんがん回し始めた。
何度か、洗濯しては干し、洗濯しては干し、を繰り返すが、思うような色合いになってくれない。
えーい!邪魔くさい!!ブリーチアウトっていうくらいなんだから、漂白剤を入れたらええんちゃう?
と、自分の思いつきにワクワクしながら洗濯機に塩素系漂白剤を投入。
果たして、出来上がったのは・・・
101わんちゃんのような、薄いブルーと白いまだら模様のジーンズ。
真っ白に漂白し直す時間も、自信も、そして買い直すお金もないまま、その醜いジーパンを履いて参加した屋久島合宿。
当時好きだった先輩から、軽蔑の視線と言葉を浴びせかけられ、へこんだ夏の日。
屋久島の景色をテレビで見るたび、あの時かいた恥を思い出す。

今では履かない日はないくらい生活に入り込んでいるジーンズだけど、あの頃は見るのも嫌でどんな行事があっても、ジーンズだけをはくことはなかった。

結婚して、夫とジーパンについての話をしたら、夫はお風呂に履いて入って、たわしでこすってused感を出す努力をしたんだそうで。
やっぱり、私はファッションには縁遠い女なのかも、ね。
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by citroentz | 2010-10-14 20:30 | つらつら | Comments(4)

息子のおみやげ

舅の7回忌を迎えた。
連休を利用して、息子も夫の実家にやってきた。
姑が孫に会うのは、今年の1月以来のこと。
年末に立てなくなり我が家にやってきた姑と、浪人生活をしていた息子が、私たち夫婦が仕事でいない日中ふたりだけで家にいた。
遠い昔、産院から帰ってすぐの一ヶ月と、阪神大震災のあと一ヶ月ほどを一緒に暮らした以外、「生活」という時間を祖母と過ごすことがなかった息子である。
小さい頃には、本当によく面倒を看て貰い、かわいがってもらった息子であったが、成長と共に祖母の存在が疎ましく思えるようになっていた。
たぶん、姑の中にはいつまでも可愛い孫のままで存在し、息子の中にはそういう目で見られることへの重苦しさを感じるようになっていたからかもしれない。

夏休み、帰省してきた息子にちょっと成長を感じた私は、迷った末
「ばあばにおみやげを買って行ってあげなさいよ。」とメールした。
祖父へのお供えも兼ねた意味で。
が、案の定、息子からの返答はなかった。
どうするのかな?と気を揉んでいると、前日になって夫に
「何を買っていけばええん?」と聞いてきた。
下宿の隣は老舗の和菓子屋さんである。自分でそれくらい考えられないか?
と、いらだつ思いを抑えて、そのハナシを横で聞く。

当日、それなりに体裁のよい箱に入ったお菓子を下げてやってきた。
私に「ほい。」と渡そうとするので、小声で
「ばあばに、アンタから渡してあげや。そのほうがばあばは嬉しいから」
と、耳打ちする。
なんとなく照れくさそうに、ぶっきらぼうに姑に渡す息子。
姑は嬉しそうである。
「いやぁ。xxちゃんが買ってきてくれたん?あんたのお小遣い使わせて可哀想になぁ。ごめんなぁ。」と、孫の懐を気遣っている。
ばあばに喜んでもらえて息子もまんざらではなさそうである。

そんなことがあったちょっと前、雑誌ミセスに連載されているよしもとばななさんのエッセイを読んだ。
病院に入院中のおばあちゃんを励ましたくて、ばななさんは息子ちゃんを電話口に立たせる。
だが、おばあちゃんとの電話より、自分が今楽しんでいるゲームが気にかかり話も適当である。
それでもおばあちゃんは、孫との会話が嬉しくて、そして自分のことより孫の身体を気遣って一生懸命話をしようとする。
孫は、そんなことを気にするわけもなく、さっさと電話を替わってしまう。
そんなおばあちゃんの思いが、孫に届くのはずっとずっと後になってから・・
そんな話を、私は目頭を熱くしながら読んだ。
ばななさんの息子ちゃんよりも、ずっとずっと大きな息子が、姑と暮らした一ヶ月は姑にとって寂しく感じた一ヶ月だったかもしれない。
祖母のことより、目の前に迫った人生の岐路のほうが、自分にとっては大事なことだったのはわかる。
それでも優しいひとことをかけてあげられなかったことを悔やむ人間であってほしいと思うのは、嫁である私の勝手な思いなんだろうか。
もっとも、私だってえらそうに言えるようなおばあちゃん孝行な孫ではなかったのだけども。

自分が新たなステージに立って、ちょっと周りを余裕を持って見られるようになった今、祖母に対する態度もちょっと変わって来たのなら嬉しいな。
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私にはロシア語の教授からお土産にもらったチョコの包み紙。
好きそうやな、と思ってだって。

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by citroentz | 2010-10-12 16:21 | つらつら | Comments(2)

事件は身近で起きている?!

日本国内、至る所で毎日なにかしら事件、事故が起きている。
それは都会だけに限ることなく、へんぴな山間部でも、静かな住宅街でも。
そんな事件が、自分の身近で起きるとは・・

昨日のことである。
節子さんがいつものように、愛犬の散歩に出かけた。
夜がまだ明けきらぬ、早朝5時前のこと。
まだ薄暗いアスファルトの道を歩いていると、前方に何か物体があった。
横を通りすがりに、ちらりと目をやるが薄暗くてよく見えない。
生ゴミの日であったので、誰かが捨てたモノか何かだろう、とたいして気にも留めず横を通り過ぎた。
3,40分もしただろうか。
いつものコースを回って、再びその謎の塊の横に来た節子さん。
太陽が登り始め、あたりが明るくなってきて、その物体の全容が明らかになった。
見ると、黒い革のトートバッグ、大型電気店の袋、そして大型スーパーの大きな包み。
革のトートバッグの口はファスナーが開いたままになっている。
電気店の袋とスーパーの袋は、口をそれぞれ店舗で貼ったと思われるシールが貼られた時のままの状態で閉じられている。
明らかに、捨てられたゴミとは違う、と節子さんは直感した。
さりとて、携帯を持たずに出たので、警察を呼ぶこともできず、ここでがさごそと荷ほどきをすると自分が怪しまれてしまう。
そう思った節子さんは、とりあえずその荷物一式を自転車のカゴに積んで持ち帰った。

中身をとりあえず検分して、持ち主とわかるものがあれば連絡を取ろう。
そう思って、検分を始めた。
まず、バッグの中。
手帖が2冊。化粧ポーチ。鍵の束。
お財布や携帯は入っていない。
化粧ポーチには、メイク道具一式が収められ、化粧品に疎い節子さんは、それがどんなブランドのどんな箇所に使うものかも見当もつかなかった。
次に、手帖。
若い女の子が持つような、透明のカバーがかかった安物臭い手帖。
中を見て、ビックリ仰天!
一冊には、周辺の県にある刑務所の名前と住所が。
そして、もう一冊には、日付ごとに人名とお金の金額が記されている。
Aちゃん 5万
B    10万
Cさん  7万
利息 1



お母さんから 40万



X月X日
電気代 1万3千円
ガス代 4千円
xx代 2万3千円



などなど、お金のことがびっしり書かれていたそう。
それを見た瞬間、お金に関することには人一倍敏感な節子さんは、鳥肌が立ったらしい。
「これは・・・・」

さらに、電気店の袋に入っていたものは、脱毛器、吸入器。
保証書が袋に入ったままの状態で日付は、前日の夕方のもの。
全くの新品である。
そして、スーパーの袋に入っていたものは、ペット用品ばかり。これまた新品で。
そこまで確認した節子さんは、大あわてでクルマを出して、近くの派出所に持ち込んだのだそうだ。
当直だったおまわりさんが、面倒くさそうに二階から降りてきて、これまた面倒くさそうに
「あ~・・持ち主が見つからなかったら、これはあなたのものになりますが、その権利を放棄しますか?」と当然、放棄するだろう、といわんばかりの言い方で質問されたらしい。
そこで、節子さんは頭の中に、バッグおよび買い物袋の中身が蘇り、新品の電化製品!!と思いつき迷わず
「放棄しません。」と、答えた。(えーっ!そんな訳ありなものをもらい受ける?とビックリしたわたし)
一瞬、止まった警官は、
「・・そうですか・・・。でも、そうなると色々と書類が必要になりますから、時間がかかりますけどねぇ。かまわないんですか?」
と、いかにも面倒だからやめてくれ、という苦渋の表情を浮かべて尋ねた。
出勤時間のことが気になりつつも、書類にサインして会社に来た節子さん。

私が出社するのを待ちかねたように、マシンガンのようにこのハナシをし始めた。
仕事をしない上司に
「仕事中に私語は控えるように。」と注意を受けるほど熱心に。
上司が出かけるのを見計らって、再びこのハナシに二人して没頭する。
荷物の状況から考えて、拉致されたとしか思えない。
おサイフと携帯は、本人が持って行ったとは考えにくいから、おそらく連れ去った人間が身元が割れるものを置いておいてはマズイので一緒に持ち去ったか、あるいは通りすがりの誰かが抜き去ったか。
拉致された理由としては、本人が闇の高利貸しか何かをしていたために、その返済を迫られた誰かが殺害目的か何かで連れ去った?
別の手帖に記された刑務所は、本人の関係者が入所しているか、お金を貸した人間が入所しているので記してあったのか?
どうせなら、デジカメで鑑識よろしく証拠物件を撮影しておいてくれたら、もっとあれこれと推理できたのにぃ・・・と悔やむことしきり。
二人であれやこれやと午前中それを推理して過ごす。
こんな街中で、そんな犯罪が行われたなんて・・・と軽い寒気を感じつつ。

そしてお昼過ぎ。
節子さんの携帯が鳴った。
「・・はい。え!持ち主が現れた?・・はい。はぁ・・ああそうなんですか・・はい。はい。
わかりました。いえ、はい。それで結構です。では・・」
警察からだった。
「今、本人が取りに来たんやって。昨日、したたかに酔っぱらって落としたらしいわ。
でも、ちょっと込み入った事情があって・・と言われたわ。なんやろうか?」
あっけない幕切れだった。
もちろん、事件性がなかったことはよかったことにこしたことはないのだが。
なんだか釈然としない私たち。
もっと釈然としないのは、電化製品をもらいうけそこねたことを悔やむ節子さんであったが・・・
真相は闇の中である。
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by citroentz | 2010-10-05 20:00 | つらつら | Comments(4)

メビウスの輪

やっと部屋にこもって、何かを作ろうと言う気運が高まってきた。
今秋第二弾のソーイングは苦手なニット。
それも、見るからにややこしそうな形である。
でも、見た瞬間
「これだ!」と一目惚れしてしまった。
まともなロックミシンも持っていないのに、縫えるのだろうか・・
と不安がよぎるも、無謀にもチャレンジ。
上質布でトライする勇気はなくて、問屋で見つけた格安布(メーター300円)で。
ところが!
思いの外、手触り、色合いともになかなかの布で、難点といえば静電気と、すべりがよすぎることくらい。
裁断しようにも、ずるずるずるずるテーブルから滑り落ちる。
縫っていても、どんどん引っ張られミシンが外れようとする。
そして、この形。
数学、なかでも図形の苦手な私の目を∞にしてくれる不思議な形はまるでメビウスの輪。
それでも、出来上がって着てみれば着やせ感たっぷりで、上々の満足感。
早速会社に着ていけば
「痩せた?」と言われ、思わずテンション↑
これなら、もう少し良い布で縫ってみても良いかもしれない。
パターン クルール「バックツイストカットソー」
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by citroentz | 2010-10-01 19:42 | ちまちま | Comments(4)