ぼんぼん買い

息子の牛肉の話をしていて思い出したことがある。
その昔、夫が小学生の頃、母親に買い物を頼まれて出かけた。
目的は「すき焼き用の肉」
関西では、「肉」と言えば「牛」。
のちのち知ったことだが、関東で「肉」といえば「豚」のことらしい。

で、母親から二千円を渡され肉を買いに走った夫。
当時の二千円といえば今で言えばおおよそ一万円くらいであろうか。
こどもに一万円を持たせて買い物に走らせる親も親だが。
姑としては、その一万円で適当に買い物して来て、というつもりだったと思う。
だが、そこは夫。
お肉屋さんの店頭で、ずらっと並んだ牛肉をみて、美味しそうな肉を選んだ。
値段など斟酌することなく。

「おっちゃん、この肉、二千円で買えるだけ包んで。」
そう頼んで、持たされた二千円をすべて使い切って帰った夫。
姑も叱ることもなく、
「ふーん・・・全部つこてきたんや(=使ってきたんだ)」とひとこと言ったきり。
その夜、家族で鍋をつついた。
「やっぱり、高い肉は美味しいな~」
「そら、これだけで2千円やで」
「マズイ肉いっぱい食べるより、こっちの方が美味しいし満足度高いやん」
そんな会話が交わされた夫の実家。

その話を聞いたとき、私は思った。
やっぱり、このひとは精神がぼんぼん(=お坊ちゃん)や。と。
3人姉弟で、父が下級公務員だった私は、買い物を親に頼まれても子どもながらに色々と考えた。
どっちのお肉が安いだろうか。
家族五人で食べるのなら、どれくらいかかるか、どれくらい食べられるか。
そういうことを悩むことなく、美味しそうなお肉を、持っていたお金をすべて投入して買う夫。
やっぱり、私とは違う。
道理でいつまでたってもお金が貯まらないはずだわ、って今更ながらに気づいたのであった。
[PR]
# by citroentz | 2010-04-06 21:48 | つらつら | Comments(0)